「認知心理学」並びに「知覚心理学」における重要な用語のひとつであるアフォーダンス(affordance)について解説いたします。
ギブソンによって作られた造語である。
環境が人間に対して与える意味のことである。
環境側が動物や人間に与える意味や情報であり、環境が生き物に働きかけることによってそのフィードバックによって動作が生まれると考える概念。
※アフォードとは「与える」という意味である。
従来の知覚心理学では、生物は外界からの刺激を感覚器官を通じて受容し、それらに対して意味を与えると考える。
アフォーダンスの立場では、環境は単なる物質的な存在ではなく、それ自体が直接的に生態に対して意味を与えるものであると考える。
近年のアフォーダンス研究では、「過去の経験によるある特定の刺激が、ある特定の行動を生み出す」ということが分かってきている。
【具体例】
・ひざ下などの高さの平面の台は、座るという行為についてアフォードする。
・ドアノブが付いたドアはドアノブを回すという行為についてアフォードする。
認知心理学、知覚心理学の概念として押さえておくべきもののひとつだと思います。
よくよく考えてみると、環境は単なる物質ではなく、存在しているだけで動物に意味を与えるという発想は納得いくものだと思います。
ぜひチェックしておいてください。