愛着(アタッチメント)とは?内的作業モデルや安全基地を解説!

「発達心理学」における重要な理論のひとつである愛着(attachment)について解説します。

愛着(attachment)とは?

精神分析的母子関係論の理論家であるボウルビィー,Jによって提唱された。

養育者と乳児との間に成立する情緒的な絆のこと。また乳児が母親などの特定の対象に対して持つ特別な情緒的結びつきのことである。

ボウルビィーは、愛着は生物学的な基盤をもつものであり、子供が生存するするために進化したものであると考えた。

※愛着は、自分の行動によって環境を変化出来るという乳児の有能感、養育者とのやり取りから乳児の感受性を高める。乳児期にとって非常に重要なものである。

愛着行動

 

愛着を表現する乳幼児の行動を愛着行動と呼ぶ。

【愛着行動の種類】

発信行動

→愛着関係を築いた相手の注意をひいてお世話をしてもらおうと促す行動。

接近行動

→愛着関係を築いた相手に自分から近づき注意を引こうとする行動。

定位行動

→愛着関係を築いた相手を探して確認する行動。

愛着の発達

ボウルビィーは愛着の発達を以下の4段階に設定した。

【愛着の発達段階論】

第1段階(2~3カ月頃)

→人物を区別せず、誰に対しても同じような反応(愛着行動)を示す段階。

第2段階(3~6カ月頃)

→主な養育者に明確に志向する行動が増え、応答的な反応を示す段階。

第3段階(8カ月~2.3歳頃)

→見知らない人に対して恐怖や警戒を示す「人見知り不安」という現象が見られ養育者を心の安全基地として利用する。養育者に対して後追いや接触など常に一緒にいたいという態度も目立つ。

第4段階(2~3歳以降)

→養育者に対する安定したイメージが獲得され、「基本的信頼感」が獲得される。この時期になると養育者に対する身体接触を必ずしも求めなくなる。

この段階を経て内的作業モデルを獲得する。

内的作業モデル

ボウルビィー,Jがアタッチメント理論において用いた理論である。

他者と自己の関係についての認知的な枠組みであり、愛着対象との相互交流を通した、自己への信頼と他者への信頼感に関わる自己と他者の関係についてのモデルである。

(内的ワーキングモデルともいう。)

ボウルビィーは、発達早期における養育者との具体的なやり取りが、子供の将来の対人関係における一般化されたイメージや主観的な確信になると考えた。

この内的作業モデルは、養育者との愛着関係の中で内在化され、成人以降の一貫した対人関係スタイルやパーソナリティーを維持的に支える機能に寄与するとされている。

安全基地

エインズワースが提唱した人間の愛着行動に関する概念である。

 

子供にとっての愛着対象が、幼い子供に提供する心地の良い安定や保護などを補償した環境のことをいう。

心の安全基地は、1歳を過ぎて歩けるようになった頃(ボウルビィーの愛着発達における第3段階の頃)に機能する。

【安全基地の機能】

① 歩けるようになると、外的世界を探索することが可能になる。

② 外的世界に危険や不安を感じると、母親を代表とする養育者を安全基地として利用し、心の安全を担保する。

③ 喜んで迎えられることを確信することで、帰還することが出来る。

④ 安全基地が存在することで、再び外的世界を探索できるようになる。

※安全基地の存在は子供にとって、安心した周囲の探索を可能にする重要なものである。さらに身体的な発達にとどまらず、好奇心を高め、知的な発達を促進することにも寄与する。

(現在では、成人においても安全基地のような存在は必要であるといわれている。)

3カ月微笑/8カ月不安

精神分析医のスピッツが提唱した。

3カ月微笑

生後2~3カ月頃の乳児には、どの人に対しても区別することなく、微笑みかける時期が見られる。この時期の乳児の微笑みを3カ月微笑という。

(これは、スピッツがお面をつけて生後3か月の乳児を正面からのぞいたり、顔を横に向けたりする中で見つけた。)

8カ月不安

生後8カ月頃になると、愛着を持つ特定の他者(多くの場合は養育者)とそれ以外の人物を弁別できるようになり、特定の他者との分離を強く否定して泣き叫んだり、特定の他者以外に対して人見知りを示す。

(この時期から人見知りが見られる。)

まとめ

発達心理学の王道である愛着について解説してきました。

重要な用語についての説明をまとめています。どれも重要な概念です。

➤心理学用語:ストレンジ・シチュエーション法【関連】

viuo

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