「臨床心理学」の心理アセスメントにおいて主要な投影描画法のパーソナリティ検査である人物画テスト(Draw A Person)について解説します。
(当サイトでは、以降よりDAPと呼ぶ。)
グッドイナフによって開発された描画知能検査であるDAMをパーソナリティ検査としてマッコーバーが最初に用いたもの。
B5の白紙1枚ずつに男女それぞれの全体像を描いてもらう検査。検査者は絵について気になる点を質問し、被験者は描いた絵に対して自由連想しながら答える。
(DAMはグッドイナフが開発した動作性知能の査定を目的とした知能検査である。)
無意識的自己像や重要な他者像と精神発達の状態を明らかにすることが出来て、被験者の「攻撃性」「退行的傾向」「非社会性」などの判断に用いられる。
※対象年齢は5歳以上である。
解釈は絵の内容について、形態分析、動態分析、空間分析をし、それらと被験者の自由連想によって報告された内容と関連図家ながら行う。以下にこれらの分析法の内容を示す。
・形態分析
→全体的な人物画の印象とバランスおよび身体の各部位に関しての分析。
・動態分析
→鉛筆の使い方や筆圧などの分析。
・空間分析
→白紙の使い方、紙面の上下左右前後という空間の使い方の分析。
同じ投影描画法として比較的に類似している家族画法について紹介する。
家族画法の始まりはハルスが開発したDAF(Drow A Family)であるとされている。
現在、主流とされている家族画法である動的家族画法(KDF)について詳細を示す。
【動的家族画法(KDF)】
・開発者:カウフマンとバーンズ
・内容:「自分も含めた家族が何かをしているところ(動的な面)」を描いてもらい、被験者から見た家族の力動的関係を査定する。
・分析の手順と解釈:描画中の被験者の行動や態度、言語表現などの観察を行い、人物像の描写手順を記録していく。描画終了後に、PDIという質問をすることによって、被験者の情報と理解を得る。解釈は精神分析理論を基盤にしている。
描画法パーソナリティ検査として重要な検査です。
概要や特徴、また分析法を理解しておくことがポイントです。
あわせて、家族画法についても触れてみてください。