「臨床心理学」の心理アセスメント領域における主要な認知症検査のひとつである長谷川式認知症スケール(Hasegawa’s Dementia Scale)について解説します。
長谷川和夫によって開発された認知症検査である。
臨床場面で最もよく使われている認知症のスクリーニング検査。精神科のみならず、各診療科において利用されている。
※所要時間は約15分である。
現在は、長谷川式簡易知能評価スケール(改訂長谷川式認知症スケール、HDS=R)へと名称が変更されている。
※認知症の重症度を測るものではなく、認知症のスクリーニングを行うための検査である。
(MMSEは、認知症の重症度を測定するための検査である。)
スクリーニングとは、ふるい分けのことである。今回の場合、認知症とそうではない群に分けるという意味を指す。
年齢、見当識、数的処理、言語再生などの9項目から構成されている。
具体例を以下に挙げる。
・年齢、場所、時間
・計算(簡単な引き算など)
・作業記憶(3単語の直後再生や、数字の逆唱)
・想起(身近なものの名称を思い出す)
・近時記憶(3単語の遅延再生)
・非言語性記銘(視覚的な記銘を行う)
検査は、30点満点で評価され、合計得点が20点未満の場合に認知症が疑われる。
認知症検査として非常に有名な長谷川式認知症スケールの解説でした。
重要なポイントは、認知症の重症度を測るものではなく、スクリーニング検査という点です。
しっかりと重点を理解しておくことをおすすめします。
また、認知症についての正確な理解も不可欠なのでこの際に合わせてチェックしてみてください。以下よりご覧いただけます。