「臨床心理学」における主要な治療技法のひとつであるロゴセラピー(logotherapy)について解説します。
※ロゴセラピーは実存分析(existential analysis)とも呼ばれています。
フランクルが始めた治療法やその考え方である。
個人はそれぞれ、人生から意味を問われており、いかなる状況でも価値を追求する自由と責任を持っているという意味への意思を重視した考え方を基盤に成り立つ心理療法。
フランクルは、人が人生に意味と目的を見いだせない時に実存的空虚を抱くと考えた。
それが持続すると実存的欲求不満になり、やがて神経症を発症するとした。
※実存的空虚→実存的欲求不満→神経症
(フランクルの代表的な書籍に「夜と霧」がある。)
ロゴセラピーにおいて用いられる代表的な技法を以下に挙げる。
■逆説志向
→症状に対して、過度に注意が向いている患者に、逆に症状を意図的に起こさせることにより、症状を起こらなくさせる。
■反省除去
→意味や価値の後に注意を向けることで、症状から注意をそらす。
実存分析では人間を身体・心・精神の3次元から構成される全体的存在であるとする。(精神が本質)
実存分析では「意味への意思」というワードが非常に重要になります。
フランクルはユダヤ人で、当時のナチスにより攻撃されていました。アウシュビッツの強制収容所に入れられ苦しい環境で過ごしました。
そんな中で生まれた実存主義は精神科医フランクルの生きざまといえるかもしれません。
フランクルの思想や精神科臨床での理論は、現在でも生ける哲学として非常に鋭い示唆を与えてくれるものです。非常におすすめです。
以下にフランクルの代表的な著書のリンクを貼っておきますのでぜひチェックしてみてください。