「臨床心理学」の第三世代の認知行動療法として有名なマインドフルネス(mindfulness)について解説いたします。
ジョン・カバット=ジンが土台を作り、抑うつの治療目的で発展してきた。
マインドフルネス(気づき)を基礎に置いた心理療法で、第3世代の認知行動療法の1つである。
マインドフルネスは、紀元前500年ころ仏陀が、苦しみを終わらせるための八正道の7番目に「正念」を加えたのが始まりとされている。
マインドフルネスは、従来の認知療法や認知行動療法のように「認知の修正・行動の強化」には重きを置かず、自動思考に週尺せずに手放し、「いま、ここで」感じる身体感覚や感情に距離を置いて接するという特徴がある。
第二次世界大戦後に欧州やアメリカで東洋思想への関心が高まり、瞑想に関心が向けられるようになった。そしてアメリカの生物学者・心理学者であるジョン・カバット=ジンが迷走の医学的な効能に着眼し、マインドフルネスストレス低減法(MBSR)を開発した。
すなわち、従来の認知療法の枠組みに迷走を統合したアプローチがマインドフルネスである。
仏教の瞑想は、2000年以上もの間「正念」の実践を進めていた。その効用は1990年代に入り始めて臨床的にテストされ医学的な身体的・精神的健康に貢献するようになった。
→マインドフルネスを取り入れることによって、否定的な考えや行動を繰り返さないようにすることでうつ病の再発を防いだり、各種不安障害の治療に役立てる研究が進められている。
マインドフルネス心理療法のアプローチの中心にあるのが正念(マインドフルネス)である。
正念では、目標は思想と心的過程とをなにものにもとらわれない脱-中心化した、判断停止の状態で観察する。
「今、ここ」で起こっている世界・生命を観察するというのが基本的な枠組みである。
「感情」「思考」「身体感覚」「症状」など今、ここで体験していることを評価・判断なしにそのまま受け入れること。
提示されたホームワークや行動エクササイズを行うことで、回復によって有意義な行動を行うこと。
「感情」「思考」「身体感覚」「症状」など、今、ここで体験していることに巻き込まれることなく、それを体験していることに注意を持続させること。
※マインドフルネスによる認知療法は、上記3つの概念を重視している。
第三世代の認知行動療法として近年研究が進められており、臨床的にも取り入れられているマインドフルネスです。
2000年以上前の仏教の知恵の偉大さを感じますね。
基本的なところを簡単に解説してきました。
お役立ていただけると嬉しいです。