「臨床心理学」における重要な概念のひとつである緘黙(mutism)について解説いたします。
言語能力に問題がないにも関わらず、特定の状況や場面においてのみ、言語的反応が見られない症状を指す。
選択的緘黙ともいう。
生活全般にわたって話すことが出来ない状態を全緘黙という。
家では話すことが出来るが、学校などの特定の状況では話さなくなる。
入園や入学といった環境の変化をきっかけに、発症することが多いことから、ストレス要因の関与が想定されるほか、個人の性格的な要因も関与していると考えられている。
治療においては、行動療法によって話すことへの不安の低減、コミュニケーション能力の向上を図るアプローチが行われている。
また、子供の場合は、遊戯療法による治療も行われる。
(発話を強要せず、本人がリラックスできるように環境調整していくことも重要である。)
※緘黙児の支援では、しゃべらせることではなく、不安を受け止めたり、和らげることに重点を置いている。
緘黙は、生活環境の変化により突然のように生じることもあります。
上記でも示したように、要因はストレス要因やパーソナリティ要因など様々です。
しかし、改善の余地や効果的な治療法がないわけではないですので、ぜひ知識として持っておいてください。