「心理学研究法/心理学測定法/統計」の分野において重要な母集団と標本(population/sample)について解説します。
・母集団(population)
→研究を行う際に情報を得たいと考えている対象の全体のこと。=調べたいデータの全体。
・標本(sample)
→母集団を推測するために抽出された母集団の一部分。=研究で使おうとしている(あるいは使った)データ。
<具体例>
・味噌汁の味見 (この時知りたいこと:味噌汁全体の味)
→母集団=「作った味噌汁全部」
→標本=「実際に味見した分の味噌汁(レンゲ一杯分)」
・選挙 (この時知りたいこと:選挙全体の動向)
→母集団=「全有効票数」
→標本=「出口調査で調べることが出来た票数」
・大学生を対象とした心理学の研究 (この時知りたいこと:大学生の性質)
→母集団=「大学生全員」
→標本=「実際に調査できた大学生」
① 心理学の研究を行う際に、研究者が明らかにしたい事象の対象はあくまで母集団である。しかしデータをそろえるのは現実的に困難であるため、標本を用いて母集団の性質をつかむという試みをするしかない。
→これを推測統計法という。
② この推測統計法を用いる際、標本の極端な偏りによって母集団の推測が適切でなくなってしまうリスクが生じる。このリスクを解消するために、母集団の性質を偏りなくするように標本を抽出する。
→そのためには無作為抽出(ランダム・サンプリング)が必要となる。
③ 母集団に関する統計的仮説が標本のデータによって支持されるか、矛盾するかを調べる方法として統計的仮説検定がある。
・推測統計法
・無作為抽出(ランダムサンプリング)
・統計的仮説検定
・母集団(population)
・標本(sample)
母集団(population)=調べたい対象の全体、標本(sample)=得られた一部のデータです。
具体例を考えながら理解するとわかりやすいと思います。
標本から母集団を推測する推測統計である統計的仮説検定は、統計理論の中心であるといわれています。
心理学においても、ある研究から人間全体の心の傾向や性質をつかむために、どのような標本を使っているのかをチェックすることはとても大切です。
母集団と標本は、心理学研究法・心理学測定法の基礎となる重要用語です。
参考にしていただけたら幸いです。