「臨床心理学」における主要な概念のひとつであるリフレーミング(reframing)について解説いたします。
家族療法やブリーフセラピーで用いられる技法である。
解釈を変えるために、クライエントの持っている問題の状況や文脈の枠組みを作り替えること、意味づけを変容させることを示す概念。
客観的事実に対する否定的見方を再解釈し、肯定的に受け取り直させることによって、その事実がもつ否定的な意味合いを構築し直し、問題の解決や心理的苦痛の軽減をもたらす技法である。
リフレーミングの意義は、固定化した一面的な物事の見方に縛られたクライエントや家族に対し、全く違う角度からの視点を提供することで、物事を多面的に見る柔軟性を取り戻せることである。
クライエント自身が持っている問題状況に対する、認知的・感情的枠組みをずらして問題を問題として認識しなくなることが求められる。
クライエントのフレームに対し、セラピストがフレーミングを示すことによって、認知の再体制化を促進する効果がある。
※治療的パラドクスや肯定的意味づけという技法を伴うことが多い。
リフレーミングの概念は、認知行動療法などでも非常に重要な概念です。
否定的なフレームに対して、ポジティブな解釈を与えることで建設的な問題解決につながることがあります。