「コミュニティ心理学」における重要な考え方のひとつである、臨床心理的地域援助について解説いたします。
臨床心理的援助において、ひろくコミュニティ(学校・職場・家庭など)に働きかけて、心の健康や疾病予防を図る活動・実践を行うこと。
臨床心理学の4領域のひとつである。
(代表的なものに、危機介入、ソーシャル・サポート、コンサルテーションがあげられる。)
地域援助における予防の概念としてキャプランは予防の3段階がよく援用されている。
・一次予防
→精神疾患の発生予防を目的として情報提供と教育を行うこと。
・二次予防
→精神疾患の早期発見と早期治療を目的として効果的介入と治療を行うこと。
・三次予防
→精神疾患の再発予防と社会復帰促進を目的としてリハビリテーションを行うこと。
また、地域援助は現代の福祉援助の大きな流れと関連している。
それは、個人の尊重・人権の尊重を前提として以下の理念を重要視している。
・施設から地域・在宅へ
→障害を持っていても地域・在宅で生活できるように援助を行うこと。
・措置から契約へ、恩恵から権利へ
→援助者と利用者の関係が上下の関係ではなく対等な関係で行われること。
・医療モデルから生活モデルへ、治療から予防へ、ADL(日常生活動作)からQOL(生活の質)へ
→障害に焦点を当てた援助のみならず、能力や豊かさに焦点を当てた援助を行うこと。
臨床心理学の4領域のひとつである臨床心理的地域援助についての解説でした。
ぜひチェックしておいてください。