「臨床心理学」における重要用語のひとつであるスクイッグル法(squiggle method)について解説いたします。
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精神分析の対象関係論派に属するウィニコット,D.W.により開発された。
セラピストがクライエントの目の前でマジックペンを使ってなぐり描きし、クライエントにそれが何に見えるかを問う。クライエントは見えた通りのものになるように描き足す。
その後、役割を交代して、クライエントになぐり描きしてもらいセラピストが完成させる。(役割交代をする。)
これを数回繰り返す。
※絵を描くことが苦手な者でも、抵抗・緊張が生じにくいというメリットがある。
相互なぐり描き法ともいう。
スクイッグル法の目的は以下の2つである。
① 治療初期にセラピストとクライエントの信頼関係の形成を促進すること。
② 描画を通じて、主観的で共感的・受容的な交流をセラピストとクライエントが持つことで、歪んだ対象関係が肯定的なものへと再構成されること。
ナウムバーグによって開発された。
クライエントにサインペンを渡し、何も考えずに、画用紙に「なぐり描き(ぐるぐる描き)」を描くように指示する。描線が完成したら、「この線から、何が見えてくるか?」を問い、見つけたものに色を付けてもらう。
スクリブルとは、なぐり描きという意味である。
山中康裕がスクイッグル法を改良して開発した。
1枚の紙をサインペンでクライエントにいくつかのコマ(6~8コマ)に仕切ってもらい、セラピストとクライエントが交互になぐり描き、投影しあい、彩色して絵を完成させる。
最後に描かれた絵を用いて、クライエントに物語を作ってもらう。
スクイッグル法をはじめ、代表的ななぐり描き法を紹介しました。
ぜひ理解していただけると幸いです。