「臨床心理アセスメント」における主要な心理検査のひとつであるソンディ・テスト(szondi test)について解説いたします。
ソンディが自らの運命分析理論を実証するために開発した投影法の心理検査である。
1930年代までのヨーロッパ人の精神障害者や犯罪者の顔写真48枚を見せて好きな顔写真と嫌いな顔写真を選んでもらい、被験者の衝動や葛藤を診断するものである。
※正式には、実験衝動診断法という。
以下にソンディ・テストの実施方法を紹介する。
① 前景像VGP
→各組8枚ごとに2枚ずつ、好きまたは嫌いな写真を選択する段階。この時VGPの弁証的な逆の結果として得られるのが理論的補償増Thkpである。
② 実験的補償像EKP
→①で残った4枚について比較的好ましい、または嫌いな写真を2枚ずつ選択する段階。
①、②の手続きを1回として、1日から1週間の感覚で10回繰り返す。
ソンディ・テストはすべての選択に対して記号化を行う。
記号は以下の通りである。
・顔写真を「好き」と選んだ時→<+>
・顔写真を「嫌い」と選んだ時→<−>
・欲求傾向に対して「アンビバレント」であった時→<±>
・欲求傾向に対して「充足されている」か、「未熟である」かの状態→<0>
上記に加え、「好き」「嫌い」の度合いを表す<!>があり、これらを組み合わせて傾向緊張表としてプロフィール化する。
ロールシャッハ・テストは、具体的な実施が先であり、理論は後付けである(帰納的方法)が、ソンディ・テストは、理論が先であり、具体的な検証がその後に行われる。(仮説演繹的方法)
ソンディ・テストの内容や実施方法、記号についての紹介記事でした。
専門的な言葉が多いですがぜひチェックして理解してみてください。
また、最後にも紹介しましたが、ソンディ・テストは、理論が先であり検証が後という点でロールシャッハ・テストと異なる点についても抑えておいてください。