「心理学研究法/心理学測定法/統計」の分野において重要用語であるt検定と分散分析 (t-test/analysis of variance)について解説していきます。
推測統計学における主要な検定法で、統計的仮説検定の一種である。
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・t検定(t-test)
→2群の平均値の差が誤差であるか有意差であるかを検定する際に用いる統計的仮説検定。
・分散分析(analysis of variance)
→3群以上の平均値の差が誤差であるか有意差であるかを検定する際に用いる統計的仮説検定。
<帰無仮説と対立仮説の立て方>
・t検定の場合
帰無仮説:2群の平均値に実質的な差はない。(=誤差)
対立仮説:2群の平均値に実質的な差がある。(=有意差)
・分散分析の場合
帰無仮説:各水準の平均値はすべて等しい。(差はない)
対立仮説:各水準の平均値はすべて等しいわけではない。(どこかに差がある)
<分散分析のポイント>
分散分析において、対立仮説が採択された場合、差はあるがどこにあるのかは特定されない。
⇒そのため、有意差の数と場所を特定するために多重比較を行う。
例えば、「ある小学校の第6学年の国語の点数のクラスごとの平均点の差」が知りたい場合、A組の平均が70点,B組の平均が66点,C組の平均が75点という状況の中で比べるとする。この時、対立仮説が採択されている場合、どこかに差はあるのだがそれがA組とB組での差なのか、A組とC組との差なのか、B組とC組との差なのか、それともすべての間で差があるのかわからない。(すなわち、どこかに差はあるが、それがどこにあるのかわからない。)このような問題を解消するために多重比較が使われる。
<+α>
t検定や分散分析は、無作為抽出、母集団の正規性、母分散の等質性という3つの仮説を必要とする検定手法であるパラメトリック検定である。
・統計的仮説検定
・帰無仮説
・対立仮説
・多重比較
・無作為抽出
・母集団の正規性
・母分散の等質性
・パラメトリック検定
・t検定(t-test)
・分散分析(analysis of variance)
t検定は2群の平均値の差の検定で、分散分析は3群以上の平均値の差の検定のことです。
それぞれの帰無仮説と対立仮説の言い回しや意味を抑えておくことが重要になるでしょう。
また分散分析の場合、対立仮説で差があることが分かっても、どこの水準の間に差があるのか、その数と場所までは分かりません。従って分散分析で対立仮説が採択された場合は多重比較もセットで行うということも必須事項です。