「臨床心理学」の心理アセスメントにおける主要な検査のひとつであるGHQ精神健康調査票(The General Health Questionnaire)について解説します。
ゴールドバーグによって作成された尺度。
主に軽度の精神障害症状や神経症症状の有無をスクリーニング(ふるいわけ)するために使用する検査。
※WHO(世界保健機関)版に準拠して作成されている。
質問内容が身近で日常的なものに限られているため、人種や宗教、政治や文化などが異なったとしても違和感なく使用できる。
臨床現場に関わらず、学校や産業現場でも容易に、かつ短時間で実施できる。
※適用年齢は12歳以上である。
質問項目は、①身体症状、②不安と不眠、③社会的活動障害、④うつ状態といった4つの因子から構成されている。
具体的には、「2週間前からの健康状態について、身体的・精神的症状があるか否か」についての設問で成り立っている。
原法は60項目である。また、因子分析の結果から30項目や28項目、12項目などの短縮版が作成され時間をかけられない調査研究などの際に広く用いられている。
ここでは、代表的な日本版GHQ30の詳細を例として示す。
【日本版GHQ30】
日本版GHQの回答結果を因子分析し、そのうち因子性が高い、一般疾患傾向、身体的症状、社会的活動障害、睡眠障害、不安と気分変調、希死念慮とうつ傾向の6因子を採用し、各因子5項目の全30項目で構成されている。
GHQ精神健康調査票は世界的に広く利用されている検査です。
様々な現場で多く用いられている検査ですので抑えておくことをおすすめします。