「心理学研究法/心理学測定法/統計」の分野において重要な第1種・第2種の誤り (typeⅠandⅡerror)について解説します。
統計的仮説検定によって導き出された結論は、帰無仮説を棄却するにしろ、しないにしろ、100%真実である保証はなく、判断が誤っている可能性がある。
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・第1種の誤り(typeⅠerror)
→真である帰無仮説を棄却することにより生じる誤り。
・第2種の誤り(typeⅡerror)
→偽である帰無仮説を棄却しないことによって生じる誤り。
※第1種・第2種の過誤ともいう。
<具体例>
あるクラスでは牛乳よりもヨーグルトドリンクのほうがこのまれているという帰無仮説を立てたとする。
この時、帰無仮説が正しいのに棄却してしまう(=本当はヨーグルトドリンクのほうが好まれているのに、牛乳のほうが好まれていると判定してしまう)ことを第1種の誤りという。
反対に、帰無仮説が誤っているのに棄却せずに採択してしまう(=本当は牛乳のほうが好まれているのに、ヨーグルトドリンクのほうが好まれていると判定してしまう)ことを第2種の誤りという。
・第1種の誤りは、本来偶然なのに、偶然ではなく有意差だと判定してしまうこと。
=帰無仮説が正しいのに対立仮説を採択してしまうこと。(差がないものをあると判定すること。)
これは有意水準と同じ確率であり、有意水準を低く設定すればするほど起こりにくくなる。
(有意水準が5%より1%のほうが第2種の誤りは起こりにくい。)
・第2種の誤りは、本来は偶然ではないのに、偶然で有意差ではないと判定してしまうこと。
=帰無仮説が誤っているのに棄却せず採択してしまうこと。(差があるものをないと判定すること。)
この確率はβを使って表し、偽である帰無仮説を正しく棄却する確率を指して検出力(1−β)という。有意水準を低く設定しすぎると検出力の低下を招き起りやすくなる。
(有意水準が1%より5%のほうが第2種の誤りは起こりにくい。)
⇒心理学において、有意水準を5%や1%に設定するのは習慣的なものであり、高すぎず低すぎないほど良い値であるためとされている。
・統計的仮説検定
・有意水準
・検出力(1-β)
・第1種の誤り(typeⅠerror)
・第2種の誤り(typeⅡerror)
第1種の誤り=有意差がない事象に対して有意差があると判定してしまうことで、第2種の誤りは=有意差がある事象に対して有意差がないと判定してしまうことです。
統計的仮説検定を行う際には、常にこの2種類のミスが起こる可能性があるということが想定されています。
統計学は確率論的な分析ですので、ある事象が100%正しいということを必ずしも証明できるわけではないので考えてみれば当たり前のことです。
コチラの記事で統計的仮説検定について紹介していますので参考にしてみてください。↓