「認知心理学」における重要な用語のひとつであるアルゴリズムとヒューリスティックス(algorithm/heuristics)について解説いたします。
両者とも、問題解決場面における、初期状態から目標状態にたどり着く手順のこと。
正しく適用すれば、必ず正しい結果が得られる一連の手続きのことで100%正解に至る方法である。
デメリットとしては、すべての可能性を試すには膨大な時間と労力がかかる点である。
100%正解にたどり着ける保証はないが、経験的に正解にたどり着く可能性が高い簡便な解決方法のこと。
デメリットとして、実施は容易だが時として誤った方向に導かれることもある点である。
アルゴリズムとヒューリスティックスの具体例を以下に示す。
例として、電話帳の中から名前がうろ覚えの遠い知り合いの名前を探し出し、電話をかける場面を想定する。
・アルゴリズム
→その人を100%探し出す方法は、電話帳に出ているすべての人に電話をかけてみる。
・ヒューリスティックス
→苗字の先頭の文字だけ思い出せる場合などは、その文字から始まる人だけに電話をかけてみる。
アルゴリズムの場合は、100%正解するかもしれないが、時間と労力面を考えると現実的ではない。ヒューリスティックスの場合は、問題解決のための労力を大幅に削減できるかもしれないが、結婚して苗字が変わっている可能性もあるし、うろ覚えのまま先頭の文字を断定することに間違いが生じるリスクが残る。
アルゴリズムとヒューリスティックスは問題解決場面における、目標達成までのプロセスとして両極する立場です。
両者の内容とデメリット面などを理解しておくことをおすすめ致します。