「精神分析学」における重要な概念のひとつであるコンプレックス(complex)について解説いたします。
ブロイアーが最初に用い、ユングが広げたとされる心理学・精神分析学の言葉である。
衝動や欲求、記憶や感情などの、様々な心理的構成要素が複雑に絡み合って心理的なバランスが適切に取れなくなった不安定な精神状態のことを指す。
(精神分析に端を発する精神力動論における概念である。)
※「複合感情」「心理的複合体」ともいう。
コンプレックスは無意識の中にあり、外界を適切に扱おうとする自我の働きを乱すものであると考えられている。
コンプレックスの核には、自我にとって受け入れがたい大きな経験があり、その経験と似た体験がまとわりついて形成される。
例えば、クライエントが内面との対決によってコンプレックスを自我に再統合していく場合、コンプレックスは建設的な意味を持つと考えてよい。
【精神分析の有名なコンプレックス】
・エディプス・コンプレックス (フロイト)
・エレクトラ・コンプレックス (ユング)
・劣等感コンプレックス (アドラー)
・阿闍世コンプレックス (古沢平作)
※ユングは、個人的無意識にコンプレックスが存在すると考えた。
➤心理学用語:元型と無意識【個人的無意識と集合的無意識】【関連用語】
コンプレックスという言葉は一般によく使われる言葉ですが、心理学では主に複合的な心理状態のことを言います。
精神分析では様々な議論がなされていますが、まずは基本的な知識を抑えてみてください。
特にフロイトのエディプス・コンプレックスは非常に重要ですので、この機会にぜひチェックしてみてください。