「臨床心理学」における重要な用語のひとつである生の欲望(Raw Desire)について解説いたします。
森田療法の基本的な考え方のひとつである。
人間が絶えず、工場・発展しようと志向する欲望のこと。
人間には本来、「より良く生きたい」「人に認められたい」「えらくなりたい」「健康でいたい」等の、向上心や発展意欲がある。
こうした欲望は基本的にはプラスの精神エネルギーである。
しかし、この裏には、不安や恐怖といったマイナスの精神エネルギーも強く存在している。
⇒それゆえ、強い欲望があるからこそ、不安や葛藤も大きくなる。
※生の欲望と死の恐怖は表裏一体なものであると考える。
(良し悪しではなく、人間の精神はプラスとマイナスが拮抗するような性質があるということ。)
生の欲望はホメオスタシスであり、自己保存欲や生殖欲など、人間の根幹をなすような基本的な欲望なのである。
森田療法では、
生の欲望と死の恐怖のどちらも、人間の性の事実として受け止め、そのまま受容することが自然なあり方と考える。
すなわち、不安や恐怖などのネガティブな精神エネルギーを取り除こうとすることはやめ、あるがままの自分を受容できるようにすることを目標とする。
そのために、セラピストは不問的態度を徹底して、不快感の原因を追究しない。
森田療法において非常に重要な概念です。
こうした欲望を、人間の本来的な性質であると捉え、取り除こうとしないで、あるがままに受容するというのが森田療法の基本的な考え方です。
ぜひチェックしてみてください。