「臨床心理学」の認知療法並びに認知行動療法において重要な考え方のひとつである認知再構成法(Cognitive Reconstruction)について解説いたします。
アーロン,ベックらによって自動思考に対するアプローチ法として提唱された。
認知療法および認知行動療法において中核をなす治療法で、不安や恐怖などのネガティブな感情に関連している認知(とりわけ否定的自動思考)の再構成に用いられる方法である。
非機能的思考記録表やコラム法とも呼ばれる。
※不安障害やうつ病に有効とされている治療法である。
認知再構成法では、自動思考に対して、その思考が真実かどうかの検討や代替思考への変更を行うことを目的としている。
認知再構成法の手順を以下に示す。
① 強くストレスを感じた状況や場面を特定する。
② その時の自動思考を書きだし、確信度を評価する。
③ その時の感情を選択し、強度を評価する。
④ 代替思考を検討し、再び確信度を評定する。
⑤ 代替思考によって感情強度を再評価する。
非機能的思考記録表は、カウンセラーとクライエントが共同で検討しあいながら記入することもあるが、一般的にはホームワークでクライエントが記入し、その記録を基にセッションが行われることが多い。
出来事や状況 | 自動思考:確信度 | その時の感情 | 自動思考の再検討 | 代替思考:感情 |
11月17日 職場で 上司に資料のミスを指摘された。 |
・自分は無能で仕事が出来ない:85% ・上司は自分を使えないやつと思っているに違いないだろう:90%
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劣等感:90% 焦燥感:50% 恐れ:80% 不安や心配:95% |
・同じミスをしないように努力を使用 ・上司は自分の成長のために指導してくれているのだ。 |
劣等感:50% 焦燥感:50% 恐れ:30% 不安や心配:45% |
認知再構成は、認知療法および認知行動療法で多用される非常に重要な技法です。
具体例を用いて内容を解説いたしました。目的や手順を理解していただきお役立てていただければと思います。
ぜひ参考にしてみてください。
また、関連する用語を以下に貼っておきます。こちらもあわせてご覧いただけると幸いです。