「臨床心理学」の治療技法のうち日本独自の心理療法として有名な臨床動作法(motor action therapy)について解説いたします。
成瀬悟策が1960年代に開発した、日本独自の心理療法である。
人間の動作をより良い方向に改善することで、心の動きを改善していくことを目指す治療技法である。
脳性麻痺児の肢体不自由の改善を目的として開発された。
現実する身体運動パターンを一致させていく自己コントロール活動である。
臨床動作法における動作とは、目に見える身体的な動きだけではなく、身体を動かそうとする意図も含む。
人間の身体の動きは、心によって意図された後に身体活動が現実化すると考え、身体の動きは心の動きと深く関わっていると考える。
自己コントロール活動は、意図-努力-身体運動として図式化されている。(動作は主体の活動であると考える。)
臨床動作法の目的は、動作の差異の体験の仕方に注意を向け、体験の仕方そのものを望ましいものに変化させることである。
臨床動作法の技法として、他者に身体をゆだね脱力していくおまかせ脱力がある。
この際、カウンセラーは常に言葉かけを行うことが大切である。
※この技法は、自閉スペクトラム障害(ASD)、知的障害、統合失調症、その他の神経症など幅広くに効果がある。
日本発の心理療法として有名なものは他にもあり、海外にも展開しています。
以下に代表的な技法のリンクを貼っておきますのでぜひご覧ください。
日本で開発された心理療法として非常に有名なものですので心理療法の知識としてぜひ覚えてみてください。
自己コントロール活動の「意図-努力-身体運動」という理論図式、臨床動作法の考え方、内容を抑えておくことをおすすめします。