「臨床心理学」における主要な治療技法である論理情動行動療法(Rational Emotive Behavior Therapy)について解説します。
エリス,Aによって開発された心理療法。
不適応や精神疾患の原因は、その人の持つ信念や価値観の歪みと捉え、その修正を測ることを通して適切な行動を獲得し、精神疾患や問題を除去する認知行動療法である。
論理情動行動療法では、出来事そのものではなく、出来事に対する解釈こそが悩みをもたらすという考えから、個人の認知の変容を目的とする。
※ABCDEモデルに基づく心理療法である。
論理情動行動療法は、不安障害の他、条件付けやモデリングを基礎とした行動療法では治療困難とされていたうつ病にも有効であるとされている。
論理情動行動療法では、不適応や精神疾患を導く過程をABCシェマという。これはイラッショナルビリーフ(非合理な信念)でる。
そして、上述した通りABCDEモデルに基づいて行われている。以下にその詳細を示す。
【ABCDEモデル】
・A:反応や行動を活性化させる出来事(Activeting event)に対し
・B:融通の利かない不合理な信念(Belife)を持つために
・C:否定的な感情や悩みといった結果(Consequence)が生じる
これに対して
・D:B(不合理な信念)に焦点を当て討論(Dispute)し
・E:不適応や症状の除去という治療効果(Effect)が得られる。
つまり、悩みの原因はAではなくBにあるという考えを前提に置く。
ex)友達に挨拶をしたら返事が返ってこなかったというAがある。
これに対して、無視されたというBを持つ場合必ずしもそれが正確であるとは言えない。たまたま聞こえなかっただけかもしれないし、急いでいただけかもしれない。
このように問題の原因はBにあると考える。
治療に際しては、出来事についての非合理な信念を見出し、それに代わる合理的な信念の使用を促す。
クライエントがそれに対して、抵抗を示すようであれば、論争を行う場合もある。
論理情動行動療法の基盤であるABCDEモデルについて理解しておくことが重要です。
AではなくBに問題があるという前提を置き、そこに対してDをすることによってCが変わるというEが導き出されるということです。これを文章でしっかりといえるように整理しておくことが重要だと思います。
そして、不合理な信念というキーワードも抑えておくようにしてください。
また、この機会に行動療法や認知行動療法の全体的な理論を抑えておくこともおすすめします。ぜひ、下記のリンクからご覧になってください。