「臨床心理学」の心理アセスメント領域における主要な発達検査のひとつである遠城寺式乳幼児分析的発達検査(Enjoji’s Analytic Development Test for the Infants)について解説します。
(当サイトでは、以降より遠城寺式発達検査と呼びます。)
遠城寺式発達検査とは?
遠城寺宗徳らによって開発された発達検査である。
乳幼児の発達を運動、社会性、言語の3分野から把握し、養育者からの聴取と子供の観察から評価していくもの。
発達の傾向を全般的に分析することが可能であり、子供の発達の個性や特徴を理解するための一助になる検査である。
(1977年に、改訂され「九大小児科改訂版」として刊行されている。)
※対象年齢は、0歳~4歳8カ月である。
遠城寺検査の内容と結果
内容
遠城寺式検査は合計293項目で構成されている。上述した運動、社会性、言語の3分野と6領域から作られている。以下に詳細を示す。
・運動:「移動運動」「手の運動」
・社会性:「基本的習慣」「対人関係」
・言語:「発達」「言語理解」
検査項目にある発達段階を、0歳児は1カ月ごとの12段階、1歳~1歳6か月までは2カ月ごとの3段階というように、発達早期の年齢区分をより細かく分けているという特徴がある。
結果
遠城寺式発達検査の結果は、どの発達年齢の質問項目までをどれくらいできたかを基に、プロフィールとして示される。
発達グラフから発達障害の部位を把握出来たり、脳性小児まひ、神経哀弱などの鑑別に用いられる。
結果は主に子供の発達の様相や特徴の把握に役立てられ、障害の発見の他にも、教育のための基礎資料作りなどにも生かされる。
知能検査との違いは?
発達検査と知能検査の違いは、①適用年齢(発達検査は乳幼児のみを対象とする)と、②検査領域(発達検査は、認知能力だけではなく、身体や社会性を含めた幅広い領域を評価する)である。
(知能検査も、発達の遅れや偏りを評価するために用いられる検査である。)
まとめ
遠城寺式検査は、発達検査として非常に有名な検査です。
ぜひ、重要点を理解しておいてください。
その他の代表的な発達検査には、
があります。あわせてチェックしてみてください。