「臨床心理学」の心理アセスメント分野における主要な発達検査のひとつである津守式乳幼児児童精神発達診断法(Tsumori Infant Developmental Scale in Children)について解説します。
(当サイトでは、以降より津守式発達検査と呼びます。)
津守式発達検査とは?
津守真、稲毛教子らが開発した発達検査である。
運動、探索、社会、食事・生活習慣、言語の5領域に関する子供の発達状況について養育者に質問して回答してもらう。
問診による子供の生活状況の確認である。
※所要時間は約20分で、適用年齢は0~7歳である。(0歳児版、1~3歳児版、3~7歳児版の3種類がある。)
津守式発達検査の内容
津守式発達検査は、子供がどの発達年齢の質問項目までできたかを基に発達年齢を算出し、発達輪郭表を作成する。
発達領域は「運動」「探索」「社会」「食事・生活習慣」「言語」の5つである。
・運動:子供の運動面、すなわち身体運動の評価をする。
・探索:物事を認識する能力。また器用さに関わる項目を評価する。
・社会:対人関係(親や友達との関係)を評価する。
・食事・生活習慣:日常生活における食事や、トイレ、睡眠などの状況を評価する。
・言語:言語理解力や発声、発音、しゃべる内容に関する項目を評価する。
※新版K式とは異なり、発達指数は算出しない。
津守式発達検査の長所と短所
長所
・子供の今の状態に左右されることなく、普段の生活状況に基づいて判断できること。
・用具を必要としないため、場所を選ばず、また所要時間が短いため比較的容易に実施できる便利な検査であること。
・項目数が豊富で、発達状況の目安が分かりやすいこと。
短所
・回答者の過大評価や過小評価などの歪んだ報告を受ける場合があり、客観的な情報として妥当性が担保されない可能性が懸念されること。
ポイント
津守式発達検査は心理アセスメントの発達検査として有名です。
それぞれの年齢での発達状況の見極めや、個性、発達の特徴を査定するために有用です。
重要ポイントをしっかりと理解しておきましょう。
その他の有名な発達検査として、
があります。ぜひチェックしてみてください。