「認知心理学」の分野で重要なテーマである知覚の恒常性(perceptual constancy)の解説をします。
知覚の恒常性 (perceptual constancy)とは?
・感覚
→刺激が感覚需要期に作用し、それが脳の特定領域に到達して生じる体験のこと。
・知覚
→脳に到達した感覚情報が選択・解釈されることによって生じる体験のこと。
つまり知覚は、主観的に解釈されたものである。
・知覚の恒常性
⇒知覚は主観的なものという前提の基に、感覚情報が変化しても近くには大きな差は生じず、一貫性を保つこと。
内容
大きさ、形、色、明るさなど、いずれも感覚情報がそのまま知覚されるのではなく、自動的に補正されて一貫性を保って知覚されているという特徴を示したのが概念が、知覚の恒常性である。
また、われわれ人間は、感覚情報を解釈するだけでなく、無意識的に感覚情報を取捨選択し必要な情報のみを知覚している。このことを選択的知覚と呼ぶ。
選択的知覚のうち、
自分にとって価値がある情報が選ばれやすくなることを知覚的鋭敏化と呼び、
自分がタブーとする情報が選ばれにくくなることを知覚的防衛と呼ぶ。
カクテルパーティー効果
選択的知覚の具体的な例としてカクテルパーティー効果がある。
<カクテルパーティー効果とは?>
多くの人々で混み合うにぎやかな場所や空間であっても、自分の話し相手の声は選択的に聞ける、あるいは聞こえる現象のこと。
おまけ
認知科学は1956年に、ダートマス会議が開かれ発祥した。
その後の1967年に、ナイサーが「認知心理学」というタイトルの本を刊行した。
キーワード
・感覚
・知覚
・選択的知覚
・知覚的鋭敏化
・知覚的防衛
・カクテルパーティー効果
・ダートマス会議
・知覚の恒常性(perceptual constancy)
ポイント
知覚は主観的に解釈されたものと認識することが最初のポイントです。
このことを示す概念として、浮上するのが知覚の恒常性。つまり、感覚情報の変動に関わらず、知覚が一貫性を保つことです。
また、あらゆる感覚情報(大きさや形、色、明るさ)がありますが、そのいずれもが自動的に補正され一貫性を保って知覚されるという点も重要です。
そして、感覚情報の無意識的な取捨選択を選択的知覚。
選択的知覚のぐたい下位概念である、知覚的鋭敏化と知覚的防衛。これらの専門用語も抑えておきましょう。
更に、選択的知覚の具体例として有名なカクテルパーティー効果の内容も要チェックです。