「心理学研究法/心理学測定法/統計」の分野における重要用語のひとつである量的研究と質的研究(quantitative research/qualitative research)について解説いたします。
量的研究と質的研究(quantitative research/qualitative research)とは?
心理学の研究法は、大きく量的研究と質的研究の2つに大別される。
・量的研究:研究対象となる事象を数量化処理して分析する研究法のこと。
・質的研究:数量化せずに、記述データとして分析する研究法のこと。
内容
量的研究
量的研究とは、仮説を変数関係という量的データとして設定・収集・測定をし、統計的にその仮説の妥当性を検証するものである。
・標本から母集団を推測する推測統計法が可能である。
→法則定立的研究の目的である、一般法則を見つけ出すことが可能である。(内的妥当性のみではなく外的妥当性の検証も行える。
・個人のパーソナリティを量的に把握するために、心理アセスメントを用いて特徴を分析することも量的研究に含まれる。
→量的研究であっても、ここをより精緻に記述する個性記述的研究が行われることもある。
(事例や標本が少ない場合は、量的研究であっても外的妥当性の検証は行えず、個別的特徴を量的変数として仮説を立て内的妥当性の検証を行っていく。)
ex)質問紙法や実験法など
質的変数
被験者が対象となる状況において表現した内容に対して、その意味内容に焦点を当てて解釈的な理解を行うもの。
・数量化を行わないため、推測統計法の実施が困難である。
→しかし、数量化することが困難な細かい反応や内容を詳細に把握することが出来る。また、理論が十分に構築されていない未知の領域に関する理論や仮説の生成のために用いられることもある。
・主に個性記述的研究である。
→被験者の「今、ここ」におけるありのままの情報について検証できる。
ex)面接法や参加観察法など
➤心理学用語:法則定立的研究と個性記述的研究【関連・要チェック】
ポイント
心理学の研究法を理解するうえで、量的研究と質的研究法の理解はとても重要であり必須なものでもあります。
それぞれの内容や違いを理解しておくことをおすすめします。
また関連で乗せた、法則定立的研究と個性記述的研究も非常に重要な用語ですので、ぜひチェックしてみてください。