「臨床心理学」における治療技法のひとつであるスキーマ療法(Schema Therapy)について解説いたします。
ジェフェリー・ヤングによる認知行動療法のひとつ。第三世代の認知行動療法に分類される。
自動思考よりも深いレベルにある、自分の世界や他者に対する深い想いや価値観に基づく認知的枠組みである、スキーマに焦点を当てる心理療法である。
※パーソナリティ障害をはじめとする人格の問題にアプローチするための最良の方法であるといわれている。
スキーマ療法は、従来の認知行動療法を中心に精神分析的アプローチのような体験的な手法を統合的に取り入れている。
また、精神分析的対象関係論や、愛着理論、ゲシュタルト療法のような人間性心理学の視点からも理論を取り入れている。
このように、統合的で折衷的な技法であるスキーマ療法であるが、その主な考え方は「問題を引き起こしたとされる体験の背景にある、自分自身の根っこの部分を理解して、自分を肯定的に捉えていくというプロセスが重要である」というものだ。
不安が大きく、パーソナリティ全体に影響を与えている人にとってその不安は一部にすぎず、深いところにある大きな問題が根本に存在している場合が多い。
そこで、問題や生きづらさを引き起こしている根源にあるスキーマに焦点を当てる。
➤心理学用語:折衷的カウンセリング(総合主義的カウンセリング)
第三世代の認知行動療法として注目されているスキーマ療法の解説でした。
統合的な理論を含んでおり、パーソナリティ障害に対して有効な心理療法としても注目されております。
関連する用語も多数出しましたが、補足的にご覧いただければ幸いです。