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心理系大学院受験

【大学院受験】合格に直結する勉強法を具体例とともに紹介!心理学編

不可能ではない

こんにちは、viuo(ビュオ)です!

僕は、臨床心理学を専門に学んでいる大学生(春から大学院生)です。

今回は、公認心理師対応・臨床心理士指定大学院の受験を考えている方に向けて、勉強を始める前に知っておきたい最低限のことと、具体的な勉強の進め方について紹介していきます。

少し長めですが、閲覧するメリットは十分にあるかと思います。

<想定する読者>

・公認心理師や臨床心理士の資格を取ることが出来る大学院を受験したいと考えている方。

・大学院受験に向けて勉強を始めたばかり(あるいはこれから始める)という方で、具体的な受験勉強の方法が知りたい方。

このような方を対象に記事を書いてみたいと思います!

心理学系の大学生にとって、心理学の専門家や研究者を目指すべく、大学院受験を考える方がいるかと思います。

ご存知の通り、臨床心理士は指定大学院を修了しないと受験資格は得られません。国家資格である公認心理師も、一部のルートを除いては大学院修士課程を修了していることが資格取得のために必要です。

人気の心理学系資格を取るために大学院に行く必要がある以上、他の学部や学科に比べたら大学院への進学を希望する人が多いというのは事実です。

とはいえ、全体のパイから考えるとやはり大学院への進学は少数派だと思います。

「多くの人が就活をする中で自分は勉強しなければならない!」「本当にこの道で良いの?」「本当に受かるの?」「友達は就職なのに人生遅れないかな?」「なんか孤独…」

受験勉強を始める前の方、あるいは始めて間もない方はこのような不安な気持ちを抱くことがあるかもしれません。

僕も大学院受験を経験したので、このような途方もない不安な気持ちを持ってしまうことはよくわかります。とにかく焦りますよね(-_-;)

しかし、この記事は、そんな受験生に「大丈夫だよ」と浅い寄り添いをするために書いたのではありません。

なぜなら、このような悩みを本質的に解決してくれる魔法のような言葉など存在しないことをよく知っているからです。

というよりも、僕が受験生の時に本当に知りたかったことはもっと別のことだったからといったほうが正確かもしれません。

僕が本当に知りたかったこと、それは・・・

合格のために必要な具体的な勉強法!

受験に必要な実用的な情報!

これでした!!

ですので今回は、受験勉強を始めたばかりの方や挫折しかけている方向けに、合格のために必要な具体的な勉強法や報われる努力の仕方を紹介します。

<記事の信頼性>

・執筆者は心理学系大学院受験の経験者です。

・心理学などの研究で実証された科学的に正しいとされる方法論も紹介します。

・予備校を使わずにゼロから勉強をして合格した実際の体験談です。

今回の記事で紹介する情報は多くの読者さんにとってかなり有益なものになるんじゃないかなと思っています。

その理由は・・・

正直ポテンシャル的にはあまり優秀ではない僕が、ほぼ独学で1日5時間くらいの勉強で合格できた方法を取り扱うからです

また、僕は大学(学部)受験を経験していなかったため受験に対する免疫はほぼ皆無でした。そんな僕でも続けられた方法ですので多くの方にとって実用可能なものなのかなと思っています。

つまり、自分で言うのもあれですが、「勉強方法的にはかなりコスパが良い」と断言できる内容です。

前置きが長くなりましたがいよいよ本題に入っていきます。

筆記試験対策のためにやっておくべきこと

まずは、具体的な方法の前に筆記試験対策のためにやっておいたほうが良い内容をザっと書いていきます。

★やることリスト

<基礎心理学・臨床心理学>

①心理学単語の内容を約400字でまとめる。

②まとめたノートの内容を覚える。

③参考書やキーワード集の問題を解く。

④過去問を解く。

やることリストはこんな感じです。

誰かに聞いたり、どこかで読んだりと、何かしらで触れたことがある情報だと思います。

ここからは、上記の「やることリスト」を具体的にどのように取り組むのかについて1個ずつ解説していきます。

この記事では、基礎心理学・臨床心理学に焦点を当てて紹介していきます。

英語の勉強法もこちらの記事で紹介しています。↓

具体的な勉強法【基礎心理学・臨床心理学】

①おすすめするノートの取り方

ノートに心理学単語を約400字でまとめます。

まとめ方は、参考書やキーワード集などを最低3冊机に広げて、重要箇所をピックアップします。

頭の中ですぐにマインドマップに変換できるような配置にすることがおすすめです。情報を頭から引っ張り出す際の保管庫になります。

重要箇所=人名+概要+概念(理論)+実験(代表的なものがあれば)+豆知識(おまけとして)です。

重要箇所のまとめでおすすめできるやり方を紹介ておきます。

概念(理論)のところで専門用語が出てきたら、小学生でもわかるように書いておくことが重要です。

実験は、学習心理学や発達心理学、認知心理学、社会心理学などでよく出てきますが元の研究を把握することで理論の本質が見えてきます。もちろん実験の内容自体が試験で問われることもあるので把握しておくことは重要です。

豆知識は記憶の定着とも関連します。学者の裏話や、日常生活の現象を理論の具体例として差し込むなど、マストではないですがおまけとしてやっておくことをおすすめします。

参考書やキーワード集を複数広げる理由は以下の通りです。

勉強が進むにつれて、ある情報が参考書Aには書いてあるのに参考書Bには書かれていないということが出てきます。すなわち、すべての重要な情報が1冊の参考書で網羅できていないということです。一方で複数の参考書を広げていると重なる情報も多くあります。このような場合はその単語において特に重要な情報だということが分かります。

このように、多くの情報にアクセスすることによってより精度の高い内容をノートにまとめることが出来るので、後々の知識に深みや幅が出ます。

メインの1冊を自分の心の中に作るのは良いですが、必ずもう何冊かはセットで開くようにしてください。

この一冊を完璧にすれば何とかなるという話は大学院受験レベルになるとありません。(3冊並べても、アクセスできない情報があるくらいですので)

ではいよいよ、ノートの中身を紹介します。

今回は、発達心理学のピアジェの認知発達論を使いました。

認知発達論

Cognitive developmental theory

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ピアジェによって提唱された

 

子供の世界の捉え方、認知や思考の仕方に注目して4つの段階に分けた理論

 

第1段階(感覚運動期) 0~2歳

・感覚や運動を通じて外界の性質を自分の世界に取り入れる→同化

外界の性質に合わせて自身のシェマを変化させる→調節循環反応

を通じシェマを形成し外界を理解する時期。

・この時期の終わりには対象の永続性(=目の前のものを隠されてもそのものは存在しているとわかること)を獲得する。

 

第2段階(前操作期) 2~6歳

三つ山課題で確認される、自己中心性(=自分と他人を明確に区別できず、他者の視点を理解できないこと)が特徴的で、自己中心語(=他者を意識しない独り言のような発話のこと)もみられる。

・また、無生物であっても自分と同じような感じる心を持つと考える、アニミズムという心理的特徴が表れる。Ex)お人形さんをたたいたら痛くてかわいそうだよ。

 

第3段階(具体的操作期) 6~12歳

・対象が形状の変化によっても量が変化しない→保存の概念を獲得し、論理的な思考が可能となる。

・また、脱中心化(自己中心性から脱し他者の視点を理解できるようになること)の時期である。

 

第4段階(形式的操作期) 12歳以降

・抽象的概念や仮説演繹的思考など、科学的思考が可能になる。

・子供の思考の完成期

このように人名概要専門用語には色を付けることをおすすめします。そして、専門用語とまではいかなくとも意識して覚えておきたい情報にはアンダーラインを引いておくと後々便利です。

また、専門用語の周辺に誰でもわかる説明を書いておくようにしてください。今回は()の中に書きましたが、吹き出しにして余白の部分にまとめても良いです。

また、論述形式での出題にも対応できるように、400文字程度の文章にすることが可能なレベルの情報量を入れておくことをおすすめします。(ものによってはどう頑張っても400文字いかないものもあるので、あまりこだわりすぎなくてもいいですが目安の数字として意識しておいてください。)

基本的にこのような形でノートをまとめると論述に対応できます。もちろん、〇×問題や選択問題、穴埋め問題にも十分に対応することが出来るまとめ方だと思います。

一般的に論述が最も難易度が高いので、正確な論述ができる=他の出題形式にも対応できるという式が成り立ちます。

言い方を変えると、論述を意識したノート作りが重要です。

<意外とポイント>

ここまでは、1つの単語についてのまとめ方を紹介しました。

意外と見落とされがちですが、ノート全体をどのように作っていくかということもとても大切です。

心理学の各理論は分野が近いと流れやつながりを掴み覚えやすくなるという特徴があります。知識をストーリーとして覚えられたり、頭の中から引っ張り出しやすくなるため科目ごとに一気にまとめてしまうのがおすすめです。

具体的なNG例としては、1単語目に統合失調症(精神医学)について書いたのに、2単語目に認知的不協和理論(社会心理学)、3単語目に重回帰分析(統計)をまとめるといった感じです。

基本的には、参考書のように同じ科目の単語は近いところにまとめておくようにしましょう。

 

②まとめたノートの内容を覚える

当たり前ですが、ノートをきれいにまとめただけでは試験問題を解けるようにはなりません。

ノートをきれいにまとめた理由は、あくまで覚えやすくするためです。

どんなに良いノートを作ろうとも、それを覚えることが出来なければ全く意味がありません。(少なくとも実用レベルでは)

繰り返しになりますが、ノートは覚えるための手段でしかありません

では、具体的にどのようにしてノートの内容を覚えればよいのでしょうか?

答えは、アウトプットを徹底的にするです。

※アウトプットを徹底的にするために、ノートまとめ(インプット)は出来るだけ1度で完成度の高いものを作ることが大切です。だからこそ、ノートまとめは丁寧に行い、出来るだけ1度で終わらせることが出来るように集中して取り組んでください。ノートまとめは1回目が命です。

(ちなみに初頭効果と言って、初めての情報の記憶定着率が後からの情報のそれより良いことも分かっています。)

さらに深堀して、アウトプットの重要性を説明していきます。

認知心理学で、記憶の三過程という理論があります。

これは、人間の記憶が記銘→保持→想起という3つの段階から成り立っているという理論です。余談ですが、認知心理学の勉強にもなると思うので少しだけ解説します。

記銘(符号化)

→感覚器から情報を受け取り、その情報を覚えこむこと。(インプット)

保持(貯蔵)

→覚えこんだ情報を頭の中に持続的に保管しておくこと。

想起(検索)

→保持されている情報から必要なものを引っ張り出すこと。(アウトプット)

この3過程が正しく遂行されて初めて点数になります。

つまり、想起までを正しく行うトレーニングがとても重要です。

保持されていることは分かっているけどどうしても想起できないということがあるかと思います。これが、いわゆるど忘れというやつです。(ちなみにこの状態を舌端現象と言います。)

せっかく覚えていても正確に伝えることが出来なければ、お分かりの通り点数にはなりません。ですので、アウトプットを正しくするためのトレーニングがとても重要だということです。

実はこれは序論でして、アウトプットが大切な理由は他にもあります。

超重要なことです。

実は、人間には思い出そうとした時に、最も記憶が定着する(短期記憶が短期記憶に移行する)という特徴があります。つまり、想起(アウトプット)しようとした時に最も覚えるということです。

想起学習としておすすめの方法はズバリ、覚えたい内容を誰かに教えるというものです。

心理学の理論ですので、多くの人が多少なりとも興味があるものが多いかと思います。(人間には自分自身のことを知りたいという本質的な欲求がありますので)

聞いてくれる友達の知的好奇心をえぐるような説明をするためには、具体例を差し込んだり、実際の社会で起こる現象と結び付けて説明するなどの工夫が必要です。更に、他人に教える過程で、何度も保持した情報にアクセスすることを繰り返します。

こうしている間に、自然に記憶が定着します。ぜひ、聞いてくれる友達を楽しませるつもりで教えてあげてください。

ここまでできなくても、発表するつもりで声に出すことで教えている状態に似たような状況を作り出すこともできるので、1人でも出来る学習法です。ぜひ試してみてください。(僕も部屋の壁に向かって1人でプレゼンしてました笑)

アウトプットの重要性

知識の獲得のためにはひたすらアウトプット

インプット:アウトプット=3:7

 

③参考書やキーワード集の問題を解く

 

これも、アウトプットの一種になります。

記憶の定着につながる行為ですので定期的にやっておくことをおすすめします。

勉強を始めたばかりという段階でしたら、振り返り復習の意味をこめてやるといった感覚で大丈夫です。

割合としては、ノートをまとめる①+ノートを覚える②:問題集を解く③=8:2くらいでいいと思います。

勉強が進んだ段階に入ったり、受験に近づいてきたら、問題集を解く割合を増やしていくのがベターです。

問題集を解くメリットは、実戦形式の想定が出来るということです。

問題集には〇×問題や、選択肢、穴埋めなど、論述以外の出題形式もあるので同じ内容でも別の出され方があるということが学習できます。様々な形式に触れることによって、練習にもなるし知識も固定化します。

また、ノートには書いていない理論に出会う可能性も出てきます。もし、初めて見た内容があったら、ノートの該当箇所に付け足すなど対策が出来ます。

解く範囲は、ノートまとめをした単語やそれに近い分野がおすすめです。

ノートは基本論述を想定したボーリュームのある内容でまとめて、覚えていきます。ノートが究極の論述対策だとしたら、問題集はアウトプットの増量論述以外の出題形式に対応するための練習だと思ってください。様々な問題様式に触れることで実践に強くなりますので頑張ってください。

④過去問を解く

過去問に触れておくこともやはり大切です。

①から③までは、主に基礎を徹底的に固めるために行うものです。

もちろんどの大学を受けるにしても基礎はとても重要ですし、絶対にやっておかなければならないことです。

しかし、大学院受験は受ける大学によって問題の系統が大きく異なる場合があります

論述が多い大学があったり、穴埋めが多い大学があるなど形式的な差があります。

そして、問題を作っているのは大学の先生ですので、分野の差もかなりあります。(大学の先生の専門分野はみておき、該当する分野は、基礎+αの対策をしておくことをおすすめします。(例えば、専門書に目を通しておくなどです。)

例えば、大学院Aでは「精神分析がかなり深く出題されている、形式は選択肢や穴埋めが多め」、大学院Bは「基礎がまんべんなく出題されている、形式は選択肢や〇×が多め」。大学院Cでは「統計もガッツリ出題されている、形式は論述が多め」というように、大学院ごとの性質が把握できます。

過去問はいつごろから解き始めたらいいんだろう?と思う方もいるかと思います。

あくまで、僕のおすすめですが本格的に過去問を解き始めるのは試験の2カ月前くらいです。

理由は、論述を想定したノートまとめと暗記をやっておけば大体のことに対応が出来るので①と②が大切だからです。まずは、そちらをやって覚えている単語数を増やしておいたほうが良いです。

過去問は形式や分野などの問題の毛色を把握するには良い勉強法ですが、全く同じ問題はそうそうでないので知識の勉強として捉えるとやはり物足りないです。ですので、最初からガンガン過去問を解くことはおすすめめしません。

しかし、問題の大体の雰囲気をつかんでおくことはノートまとめの質の向上につながることもあるので、少しくらいはみておくのもありです。受けたいと思う大学院の過去問は取り寄せておいてパラパラ見るというような感じで大丈夫です。

試験が近づいてきたら実際に解いていってください。そこでも、新しい知識に出会ったらノートをアップデートすることがおすすめです。

おすすめの参考書

こちらが、心理学や臨床心理学、統計の参考書としておすすめ出来るものです。

こちらが英語です。

 

英単語は、心理学専門単語と大学入試レベルのものが必要になります。心理院単は必須で買っておいた方がよいでしょう。心理院単に加え、ターゲットなどの単語帳も加えてやっておいた方が良いです。

まとめ

以上が基礎心理学・臨床心理学の勉強方法になります。

毎日着実に積み上げれば知識は増えますので正しい方法で努力していってください。

また、今回の記事で紹介した方法とは全く違う方法で合格した方もいると思うので、積極的にいろいろな情報に触れて自分に合うやり方を探してみてください。

予備校を使わない人は、この記事の方法をまずは試していただくことをおすすめします。

やっていく中で、自分なりの勉強の感覚もつかめますので、色々な戦略を立てることも大切ですが、それ以上にまずはやってみるということが大切だと思います。

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