近年の「臨床心理学」において有力な考え方になってきた第3世代の認知行動療法(cognitive behavior therapy of generation 3)について解説いたします。
第3世代の認知行動療法(cognitive behavior therapy of generation 3)とは?
認知行動療法の新しい流れとして、2000年頃から始まった一連の認知行動療法である。
行動的・認知的な技法に加え、文脈的で体験的な変化に期待する援助技法を用いるという特徴がある。
代表的な技法
提唱者 | 技法名 | 内容・特徴 |
リネハン | 弁証法的行動療法 | 境界性パーソナリティ障害を感情調整困難として扱う。 |
ヘイズ | アクセプタンス&コミットメントセラピー(ACT) | 不安や苦痛を受け入れることを重視する。 |
マーテル | 行動活性化療法 | 認知面よりも行動することに焦点を当てるアプローチ |
ウェイズ | メタ認知療法 | うつや不安に対するメタ認知にコミットするアプローチ。 |
ヤング | スキーマ療法 | 自動思考よりも深い部分にあるスキーマに焦点を当てる。 |
ジョン・カバットジン | マインドフルネス認知療法 | マインドフルネス逓減法に認知療法の要素を加えたアプローチ。 |
認知行動療法の歴史
・第1世代:「行動療法」から発展
→古典的条件づけやオペラント条件づけなどの様々な行動研究から発展し、1950年代に体系化された。
・第2世代:「認知療法」から発展
→抑うつや不安を予測する自動思考の研究から発展し、1970年代頃に体系化された。
代表的なものに、ベックの認知療法やエリスの論理情動行動療法がある。
・第3世代:「文脈」や「機能」に注目して発展
→認知や行動面のみならず、文脈や機能面を重視して、2000年代頃から普及している。
ポイント
これまでの理論や技法のガイドラインでは想定していなかったより高次の考え方を有する心理療法として、近年普及しています。
ぜひ参考にしてみてください。