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心理学用語:闘争か逃走反応(緊急反応)

闘争か逃走反応

「臨床心理学」や「精神医学」における重要な概念のひとつである闘争か逃走反応(fight or flight response)について解説いたします。

闘争か逃走反応(fight or flight response)とは?

キァノン,W.B.が提唱したストレス理論のひとつ。

自律神経系のうち交感神経系の興奮によって生じる反応のことである。

恐怖などを感じる危機的な状況に直面した時に、自身に逃げるか戦うかを迫る神経反応のことをいう。

具体的には、呼吸や心拍数の増加、血圧の上昇、発汗や同行の拡大などの身体反応である。

自律神経系の働きとストレス

身体の内臓や内分泌系の働きを調整する神経を自律神経系と呼ぶ。

自律神経系は、交感神経系副交感神経系に大別される。

交感神経系

・危機的な状況で、身体を活性化させる目的で働く神経である。

・交感神経系が働くときは、心身が緊張している。

循環器の機能が向上する。

消火器の機能が低下する。

副交感神経系

・休息の場面で、リラックス状態を作る目的で働く神経である。

・副交感神経系が働くときは、心身が落ち着いている。

消火器の機能が向上する。

循環器の機能が低下する。

現代人の生活は、ストレッサーが過多で交感神経系に偏ることが多く、ストレス状態が持続しやすい。

そのため心身症を発症しやすいといわれている。

自律神経系のコントロール

心理学では、自律神経系をコントロールして心身の適度なリラックス状態を作り出す技法が開発されている。

例えば、シュルツが開発した自律訓練法や、ジェイコブソンが開発した漸進的筋弛緩法、マイケンバウムが開発したストレス免疫訓練などがある。

これらの技法を用いて、自律神経系をコントロールして、交感神経系と副交感神経系がバランスよく働いている理想的な状態を作ることが望まれる。

ホメオスタシス

キャノンは、ストレスによる影響への生理学的知見からホメオスタシス(homeostasis)という概念も提唱している。

これは、個人が外部の変化に関わらず、自己の内部環境を一定の状態に維持しようとする状態のことを示す。

ポイント

上述にもありますように、闘争か逃走反応は、「精神医学」「健康心理学」「臨床心理学」における重要な用語ですので、ぜひ抑えておいてください。

この記事では、自律神経系やホメオスタシスについても取り上げました。

それぞれ重要ですので、ぜひ一緒にチェックしていただくことをおすすめします。

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