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学習心理学

心理学用語:新行動主義

新行動主義

「学習心理学」における重要な領域のひとつである新行動主義(neo behaviorism)について解説いたします。

新行動主義(neo behaviorism)とは?

人間の行動をシンプルな刺激(S)と反応(R)と見なすのではなく、生活体(O)が刺激・反応に影響を与える媒介変数になるというS=O=R理論に基づく考え方をする学派である。

1910年代にワトソンにより創始された行動主義は、物理化学における操作主義や論理実証主義の影響を受けて、1930年代頃新行動主義が誕生した。

S-O-R理論

新行動主義者の1人であるハル,C.L.は、人間の行動を刺激(S)に対する反応(R)と考えるのではなく、刺激に対する反応を規定する媒介変数を設定することで人間の複雑な行動を理解できると主張した。

そして「行動の原理(1943)」においてS-R理論を改良したS-O-R理論(Stimulus-Organism-Response Theory)が提唱された。

刺激(S)→生体の認知(O)→反応(R)

【Oraganism:有機体】

S-O-R理論では、S-R理論に有機体(Oraganism)を加えることで、学習効果の個人差や同一刺激に対する反応の個人差について合理的な説明が可能となった。

Oは生物、人間の内的要因(認知的情報処理)のことであり、同一刺激を受けても有機体の寧的な情報処理によって室力される反応が変化していく。

ハルは、動因低減説で有名である。

動因低減説とは、欲求が高まった時、ある行動・反応をすることで欲求が低減することである。

「行動・反応の生起=動因(欲求)×習慣強度」

サイン=ゲシュタルト

同じく新行動主義者のトールマン,E.C.は、より媒介変数を内的な予期、あるいは期待といった認知的要因を重視した。そして、個人の持つ認知形態のことを認知地図と呼んだ。

【サイン=ゲシュタルト】

サイン=ゲシュタルトとは、行動は目的行動とその手段(サイン)と目的行動-手段の関係性によって成り立つという、認知面を重視した考え方である。

=学習は手段と目的関係が認知されていく過程であるという考え方。

※トールマンのこのようなアプローチは目的論的行動主義とも呼ばれている。

オペラント条件付け

スキナー,B.F.は、有機体の自発性に着目し、オペラント条件付けを重視した。

スキナーの考え方では、媒介変数は不要であり、操作可能な環境の諸条件と行動との関係にだけ注目し、行動に影響を与える条件を分析すればよいと考えた。

このような手法は実験的行動分析と呼ばれ、徹底的行動主義とも呼ばれている。

➤【関連記事】心理学用語:オペラント条件づけ【道具的条件づけ】

ポイント

ワトソンの行動主義とは区別される新行動主義ですが、最も重要な点は「媒介変数として生体側の認知を重要視している」点です。

代表的な3人の学者の有名な理論を紹介しましたのでぜひ理解に役立ててみてください。

もう一度簡単にまとめてみます。

トールマン→サイン=ゲシュタルト(認知地図説)

ハル→仮説演繹法による理論体系、動因低減説

スキナー→オペラント条件付け、徹底的行動主義

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